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COBB500ブロイラーマニュアル

U.ブロイラーの生理と飼育環境

U−1.ブロイラーの生理
  1. 鶏は暑さに弱い
    1. 鶏は汗腺の発達が殆ど無く、その上全身が羽に覆われ、蒸散による体熱の放射が困難です。
    2. 羽は、本来は飛ぶための道具で、毛と異なり死んだ組織で、季節により生え変わり、長さや密度をかえることはありません。
    3. 暑熱期の体温調節は、主に呼気により行います。高温下では水を多く飲み、パンチングにより熱を体外に放散します。
  2. 雛は寒さに敏感
    1. 雛は、羽毛の発達が未完成で、放熱もされやすい傾向にあります。餌付けから換羽終了までは温度管理に充分気を配ります。
    一般的に、雛の体温調節機能は、孵化後急速に発達しますが、2週令迄は不充分です。ブロイラーのように発育速度が早いものは、体温調節機能の発達が個体差も大きく、且つ遅い傾向にあります。
  3. 酸素が多く必要
    1. 鶏は、他の家畜と比べ、飼料摂取から排泄のスピードが速く、生理活性も高いため、単位体重当たりの酸素消費量が多くなります。
    2. 鶏の酸素消費量は、豚、牛と比べて、3倍以上の量です。
     
    酸素消費量( ml/体重 kg/ 時間) 423 121 125
    (Hudson, J.W.et al. & Lasiewski, R. C., 1974)
  4. ブロイラーは環境変化に敏感
    1. ブロイラーは、他の家畜と比べ、発育スピードが速く、ストレスを受けやすいので、管理手順は遅れないようにします。
  5. 鶏はホコリ、汚れた空気に弱い
    1. 鶏の肺は、他の家畜と異なり、胸郭運動に応じて余り伸縮しないので、その容量は小さく、効率的に酸素の取り入れを行っており、質の悪い空気は大きな負担になります。
    2. 鶏は気嚢を持っており、その大きさは成鶏で肺の約9倍あり、全身に広がっているため空気の汚染は重大な問題です。
    3. 特にホコリが多い場合は、散霧等で浮遊細菌と共にホコリを落とし、空気をきれいにします。
  6. コッブブロイラーは増体が良い
    1. コッブブロイラーの育種改良は、何世代にもわたる緻密なプログラムに基づいて行われています。
    2. 孵化直後から急激、且つ効率的な増体を示す遺伝的な能力を持っていますので、餌付けから出荷迄の期間に、遺伝的能力を最大限に引き出すための適切な飼育管理が必要です。
    3. 飼育管理の失敗や疾病の発生により増体が抑制された場合、満足すべき結果は得られません。
U−2.ブロイラーの飼育環境の現状

経済性を追求するために、ブロイラーの飼育環境はかなり苛酷な状況になっており、飼育管理上で下記のような問題が提起されています。

  1. ロット羽数の増大
    1. 1ロットの羽数が多くなってきたため、同一鶏舎に母鶏週令の異なった種鶏群から発生した雛(体重の異なる)が供給されるケースがあります。
    2. 1棟当りのフロアー面積が大きくなったため、均一な環境が作りにくく、雛にバラツキができやすい環境になってきています。
  2. 飼育密度の増加
    1. 給餌、給水のスペースが不足しがちになります。
    2. 床面が湿りやすく管理が難しくなります。
    3. 高密度飼育は換気不足やストレスなどの為、疾病にかかりやすくなります。
  3. ホコリがたちやすい
    1. 気管が冒され呼吸器系の疾病を誘引しやすくなります。
  4. 平飼いのため糞と同居
    1. 床面の管理とも関係しますが、アンモニアが発生しやすく、且つコクシジウム症の感染の危険もあります。
U−3.ブロイラー業界を取り巻く主な法規則

飼育環境の防疫や食の安全、環境の保全を図るために様々な法規則が定められています。ブロイラー業界においても、法令遵守が求められています。  主なものを下記に示しました。(2009年8月現在)

  1. 畜産振興の基盤として、家畜衛生、とくに家畜の伝染病の発生を予防し、まん延を防止することを目的に「家畜伝染病予防法」が昭和26年に制定されました。 本法は家畜伝染病の発生予防・まん延の防止、輸出入検疫等に関する多くの規定がありますが、これらに対して時代の推移・変化に対応するための改正がなされています。
  2. 鶏肉の安全確保により国民の健康維持を図る目的で食鳥検査制度である「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」が1992年4月1日から実施されています。
  3. 事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行い、生活環境を保全する目的で家畜排泄物法である「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が2004年11月1日から実施されています。
  4. 廃棄物の排出を抑制、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、生活環境を清浄にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る目的で廃棄物処理法である「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が2002年12月1日から実施されています。
  5. 肥料の品質を保全し、公正な取引を確保するため、肥料の規格の公正、登録、検査を行い、農業生産力の維持促進に寄与する目的で「肥料取締法」が2003年7月1日から実施されています。
  6. 事業者から公共用水域に排出される水及び地下水に浸透する水を規制するとともに、公共用水域及び地下水の水質の汚染防止を図る目的で1971年6月24日に施行された「水質汚濁防止法」が随時強化されています。
  7. 今後はブロイラー産業が担う社会的な責任を果たす上で環境対策を規制する「省エネ法」、「温対法」などの法規の重要性が増すものと予想されます。  2010年には、「改正温対法」により2009年度分からの動物の飼育によるメタンガスの排出量、ふん尿の処理によるメタンガス、窒素ガスの排出量が年間二酸化炭素3000トン以上に相当する場合、排出量の報告が義務付けられます。   詳しくは、事業所管省庁にお問い合わせ下さい。
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